8bit機全盛期に一時代を築いたシリーズです。PC-9801シリーズ普及の土台を作ったとも言えるでしょう。
機種もたくさん出ました。覚えているのだけでも、初代、mkII、SR、FR、MR、TR、FA、MA、MCなど(FH、MHってのもありましたっけ?)。その中でも1つの転機がSRだったようです。たぶん日本で最初にFM音源を搭載したパソコンです。カタログスペック上はそれだけという感じもしますし、NECもFM音源を全面に出して宣伝してました。ベートーベンかなんかの顔を出して。あの音源でクラシックはむちゃに近いと思いますけど。
しかし実際には内部的にもけっこう変わったらしくて、詳しいことは全然知らないんですが、ゲームなどが作りやすくなったようです。これ以降に出るソフト(特にゲーム)は、ほとんどSR以降用になりました。PC-98で言えばVMでしょうかね。
あと、PC-88VAなんていう変わったのもありました。これについては別に書きます。
変り種と言えばやっぱりTRでしょうか。パソコン通信が話題だったころの機種で、本体の横に受話器が付いているというものでした。モデム内蔵機種でさえ全く見掛けないこの時代に、電話機そのものをくっつけちゃうなんて「やるな!NEC。」って感じでした。しかし後が続かなかったところを見ると、売れなかったようですね。せめてモデム内蔵機種くらいは出しても良かったと思うのですが。
もう1つの変り種は、MCですね。PC-8801シリーズ最後の機種です。これには今となっては当たり前な、CD-ROMドライブが付いていました。正確には、付いているのと付いていないのと2種類ありました。で、そのCD-ROMドライブは、なんと、NECのゲーム機「PC-Engine」用のCD-ROMドライブ「CD-ROM2」と同じものでした。なので、これを持っている人はCD-ROMなしのMCを買えば、PC-Engineと共用できました。他のPC-8801用にも、そのCD-ROMドライブを使えるようにするためのものが出ました。
しかしこのMC、私自身は「売れないだろうなぁ」って思っていました。PC-8801全盛期ならともかく、もう時代は16/32bit。PC-8801用CD-ROMソフトなんて出るとは思えませんでしたし、すごく安いならともかく、そこそこの値段するのに、いまさらPC-8801を買う人がいるとは思えなかったからです。
案の定、専用CD-ROMソフトはほとんどでなかったようです。おそらく片手で数えられるのではないかと。ファルコムのドラゴンスレイヤーでは、ソフトはFDだけどBGM集のCDをドライブに入れておくとゲーム中のBGMがCD-DAで流れる、なんていうのもありましたし、今くらいCD-ROMソフトがあれば、素材集のようなものを活用できたかもしれませんが・・・。
MCがでてしばらくすると、雑誌の読者のコーナーに「なんでNECはPC-88用のCD-ROMソフトを出さないんだ!」という、MCユーザーからの投稿が載るようになりました。私は「あたりまえだよなー。」なんて思いながら読んでました(^^;;。でも、CD-ROM搭載機が出ただけすごいなって、今は思います。8bit機では唯一だと思いますし、X680x0では出ませんでしたし。
私が使ったことのあるPC-8801は、初代、SR、FRくらいでしょうか。しかし自分では所有していなかったので、やっぱりゲームをしたことくらいしかありません。
©Saiey