色の魔術師

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 MSX2を買って1年近くはずーっと、PC-6001mkII時代に買ったジョイカードを使っていました。ちょうどこのころ、電波マイコンソフトが「XE-1PRO」というかっこ良いジョイスティックを販売し始めました。物理的に8方向入力と4方向入力を変えられる複雑な機構の付いたマイクロスイッチ式のスティックに、独立して連射速度を調節できる2つのスライドボリューム、連射スピードを目で見れる5つのLED、好みに合わせて角度を変えられる回転テーブルに乗った2つのトリガーボタンなどの使いやすさを追求したすごいジョイスティックでした。また、ジョイスティック端子に電源の出ていないX1シリーズでも使えるように、電池ボックスを内蔵し電源スイッチが付いていました。定価9500円。送料500円。欲しいけどさすがに1万円はちょっと・・・なんて思ってました。

 そんな頃、コナミからMSX用サラマンダが発売され、ジョイカードで遊んでいました。何面か進んだ所に、高さが自機1機分くらいでまっすぐ横に進んでいくような場所がありました。自分はまっすぐ横を押していたつもりだったのですが、なぜか途中で斜めに入ってしまい、壁にぶつかって死んでしまいました。その時「やっぱジョイスティックじゃなきゃだめだ」と買う決心、というより、買うための自分に対する言い訳ができ、1万円払ってXE-1PROを買ってしまいました。

 通販で申し込んで、10日くらいで来たでしょうか。初めてXE-1PROを見た印象は、「戦車のプラモデルみたい」でした。それは、写真で見るよりずっと緑色で、ちょっと丈夫そうなプラスチックのボディだからそう見えたのでしょう。

 さっそくこのXE-1PROを使おうとして、このジョイスティック最大の欠点に気が付いてしまいました。このことが後々まで響くのですが、このジョイスティック、コネクタがちょっと大きいのか、非常に硬かったんです。普通は「ズッ」って感じで全部入るのですが、これは「ググッ」と力を入れても半分くらいがやっとでした。それでも使用に特に問題になるわけではありませんでしたが。

 初めはやっぱり慣れるまではちょっと使いにくく感じました。しかしちょっとして慣れたらこれ以上に使いやすいコントローラーはなく、これ以後私はシューティングはジョイスティックでないとだめな人になってしまいました。ジョイパッドで使えるのはメガドライブ(1or2)に付属のものくらいでしょうか。他のはだめでしょ、とか思う人になってました。

 このXE-1PROはこれ以後ずっと使い続けました。自分のパソコンでゲームをするのにこれ以外のコントローラーを使うことはほとんどなく、MSX2〜X680x0と受け継がれ、酷使していきました。これを書いている時点で丸9年を突破しましたが、途中ケーブルを1回交換しただけで、未だに現役で使えているすごいジョイスティックです。

 サラマンダといえば、サラマンダを買った直後の大晦日、紅白歌合戦を見ていた所友達から遊びに来ないかと電話がありました。友達もやっぱりA1ユーザーで、やっぱりサラマンダを買った人でした。そこで私はご自慢のXE-1PROを持って遊びに行き、友達とサラマンダで2人プレイなどして遊び、そのまま新年を迎えて、年越しサラマンダをしてしまったことがあります。

 たまたまサラマンダが話に出ましたが、特に例を挙げるまでもなく、MSXシリーズでゲームをやる人間にとってコナミの存在は非常に大きいものでした。コナミは定期的にMSXシリーズ用ソフトを出し続け、その多くが「名作」と言われても異論のでないようなおもしろさと完成度を誇っていました。MSXシリーズの人気は、A1やF1などの低価格マシンの登場と、このコナミが良質のゲームを出していたからに他なりません。




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