「山岡荘八第12弾」

2001年6月8日  

 山岡荘八第12弾「源頼朝」読了。うーん、なるほど。頼朝も苦労したんだねぇ。でもさ、なんで落ちぶれちゃった源氏の頭領で流人なのに、こう、源氏の長者としての、それなりの扱いをしてもらえるんだろうね。その辺が血筋に対する日本人の不思議な感覚だよね。いざとなるとその人を大将にして、一種のカリスマみたくして、命かけるし。外国でもそうなのかなぁ。
 それにしても。まーた途中で終わりだよぉ。木曾義仲が死んだところで終わっちゃったよぉ。これじゃあ頼朝って流人のくせに女ったらしなやつってだけじゃん。でも珍しく著者による、途中でやめる言い訳とその後のあらすじみたいのが書いてあったね。義経が出て以降はいろんな人が義経を主人公に書いているからとか、何とか。でもさ、そーじゃなくて、自分は山岡さんの頼朝が読みたくて読んでるんだから。他の人が書いてるかどうかなんて関係ないっしょ。最後まで書いて欲しかったなぁ。故人に文句言ってもしょうがないけどさ。

山岡荘八第12弾 山岡荘八第13弾
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2001年5月28日  

 山岡荘八第11弾、「新太平記」読了。とってもおもしろかった。太平記って、名前は聞いたことあったけど、いつの時代のどんな話を書いた物なのか、全然知らなかったよ。
 やっぱこの話の主人公は、楠木正成?もともと主上側がどーしてこの人を頼りにしようと思ったのかよくわかんなかったけど、すごいね。もっとこの人を信用して、少なくとも戦に関しては100%この人のいうことにしたがってたら、足利家の台頭はなかったかもね。っていうか、主上側が主上の理想の元に一致団結してれば良かったのに、なんかみんなバラバラなんだもの。勝てるものも勝てないよね。まぁ、主人公をすごく良いように書く山岡さんの小説だから、余計にそう思うんだろうけどね。
 にしても、これもなんとなーく中途半端に終わってるような、そうでもないような。確かに主上側のメイン武将がみんな死んじゃったし、正成切腹以降の主人公であるべき新田義貞が死んだところでおしまいってのはわかるけどね。でもできれば、室町幕府が成立して、南北朝時代という体制が確立するあたりまで書いて欲しかったかな。まぁ、歴史はずっと続くものだし、特に1人について書いてる訳じゃないこの小説の場合、どこで区切っても中途に感じるのかもね。

山岡荘八第11弾 山岡荘八第12弾
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